みんなの塗装講座

みんなの塗装講座
2021.12.21 公開

お住まいの「外壁材」の種類と塗り替えサインについて

お住まいの壁の塗り替え「塗装」にポイントを置いて様々な情報をお伝えする情報番組「公式みんなの塗装講座」。

第2回目のテーマは「外壁材の種類と特徴」について。

建物の外観デザインや、印象に大きな影響を与える「外壁」。一言で「外壁」といっても、いろんな種類があることをご存じですか?

外壁材に様々な種類があり、種類によって、見た目はもちろん、特徴やメンテナンスの周期も異なります。
今回は外壁の塗装工事をする際の参考としていただくために、戸建て住宅に多い外壁材「サイディング」と「モルタル」の特徴を紹介していきます。

窯業系サイディングについて

サイディングとは、住宅のような建物の外壁に貼る仕上げ用の板のことで、材料はセメント製や金属製のものが一般的です。
サイディングボードとは、板状の外壁材のことで、予め工場で壁のサイズにあわせてカットしたボードを貼り合わせていくことで外壁を仕上げていきます。サイディングの種類は、窯業系/金属系/木質系/樹脂系の4つに分類できます。このうち、日本の住宅で一番使われているサイディングの種類は何かわかりますか?答えは「窯業系サイディング」です。 窯業系サイディングは、日本の住宅に使用される外壁材の約70%を占めています。【窯業系サイディングの特徴】
  • セメント・繊維質を高温・高圧で板状に形成した外壁材。
  • さまざまなメーカーが製造・販売しているため、色と柄のバリエーションが豊富。
  • 材料の約80%がセメントでできているため、水を吸いやすく、ボード自体に防水機能はない。そのため、外壁に貼られる前にボードに塗料を吹き付けて防水性を持たせている。
  • 使用している塗料の種類によって、早いものでは新築から10年で、塗装表面が劣化し始めるため、防水性を維持するためには、10年に1度を目安に、再び塗装を行う必要がある。

ナビゲーター 中上真亜子(以下:中上):最初に塗った塗料が10年たつと、塗装の役割的にも新しく塗ったほうがいいんですね!
ちゃんとしたタイミングで塗り替えすると、壁から来る雨漏りも防げる、ということですか?

アステックペイント 技術開発本部 部長 谷口智弘(以下:谷口):そうですね。適切なタイミングで塗り替えることで長持ちさせることができるんです。

シーリングが劣化するとどうなる?

ボードの継ぎ目、目地部という部分には、「シーリング材」が打たれています。このシーリング材は、雨水の浸入を防いだり、地震などで建物が動いたときに、動きを緩衝する役割を担っています。目地部のシーリング材は、5年から10年程度で劣化し、ひび割れ・肉やせが発生します。

そんなシーリングですが、劣化すると非常に大きな影響を建物に及ぼすことになってしまいます。さてどんな影響がでるでしょう。

答えは、「建物内部が湿気で腐食してしまう」です。

シーリングが劣化すると、そこから雨水が浸入する可能性が高まります。
浸入した雨水は、建物内部を腐らせ、老朽化の原因となることも!そのためため、およそ10年を目安に、シーリングを打ち替える必要があります。

中上:この写真は恐いですね。どんな状態になったらこのような写真のようになるんですか?

谷口:劣化したシーリングから雨水がしみこんで、内側の木材を腐らせてしまった写真なんです。

中上:外から見たらわからないから、深刻な状況にならないと分からないですよね。この状態が進行するとどうなるんですか?

谷口:最悪のケースになると壁が壊れる、家が傾く、などの事態に繋がっていきます。

中上:あんなに小さな劣化からこんな風になるんですね。

窯業系サイディングの劣化症状

窯業系サイディングの主な劣化症状としては、次のようなものがあげられます。

・表面のひび割れ

・チョーキング(手で触ると粉状のものが付着する状態)

・塗膜の膨れ、はがれ

・カビ・藻の発生

・ボードの反り

 

またシーリング材の主な劣化症状としては、次のようなものがあげられます。

・シーリングのひび割れ

・シーリングの肉やせ

以上のような劣化があるお住まいは、ぜひ塗装工事をご検討ください。

 

中上:「まだうちの壁大丈夫かな」と思って壁は見るけど、シーリングは見ることがないですよね。でも実はこのシーリングのメンテナンスが重要そうな気がします。

谷口:水が浸入する経路の一番の原因なので壁以上に注意しておきたいところです。注意して見ていただきたいのですが、シーリングから水が浸入した場合、シーリング近くのサイディングが反ったり・膨らんでいることがあります。そうなるとサイディングが水を含んでいる証拠なので危険なんです。

中上:なるほど!やはり定期的なメンテナンスが必要なんですね。

モルタルについて

モルタルは1960~80年代にかけて外壁に使用された最も一般的な仕上げ材として広まりました。砂とセメントと水を練り、混ぜてつくった材料を現場で職人が施工し、その後、上から塗装して仕上げます。

一言で 「モルタル外壁」といっても、風合いが変化する仕上げ方の種類があります。

・表面がザラザラした仕上がりになる「リシン」

・表面がデコボコした重厚感のある仕上がりになる「スタッコ」

・なめらかな印象を与える「吹付けタイル」

などがモルタル外壁仕上げ方法の代表例と言えます。

モルタルは、地震などで建物が動くことで、ひび割れも発生しやすく、発生したひび割れから建物内部へ雨水が浸入してしまう可能性もあるため、塗装メンテナンスが定期的に必要となります。モルタル外壁を長く使い続けるために、10年に一度を目安に 塗装を行うことをおススメします。

モルタルの劣化症状

モルタルの主な劣化症状としては、次のようなものがあげられます。

・チョーキング(手で触ると粉状のものが付着する状態)

・色あせ

・塗膜の膨れ、はがれ

・カビ・藻の発生

・ひび割れ

以上のような劣化のサインがあるお住まいはぜひ塗装工事をご検討ください

 

中上:モルタルがひび割れしやすいというのは、想像できました!実家の外壁がこのモルタルだったので、どんな劣化なのかイメージできます。モルタルの防水性は弱くなるんですか?

谷口:古くなればなるほど、モルタルの外壁は防水性能がどんどんなくなっていきます。だから新たに塗装して防水することが重要なんです。

まとめ

外壁材には、さまざまな種類があり、特徴や劣化症状はもちろん、補修方法も異なります。
補修を検討する場合は、外壁材の種類を知って現在の劣化状況や、メンテナンスの必要性、適切なメンテナンス方法を塗装会社の方に聞いてみましょう。

 

中上:専門の塗装会社の方に目で診てもらうのが、安心ですよね。

谷口:そうです。専門の方に正しく診てもらうことが大切なんです。

中上:一番勘違いしていたのが、外壁材自体に防水機能があると思っていたこと。塗装することで防水機能を持たせている、というのが目から鱗でしたね。油断している方が多いと思うので、やっぱり専門の方にアドバイスもらうこと・現状を知ることが重要なんですね。

谷口さん、ありがとうございました。

外壁塗装の正しい知識をお届け!アステックペイント公式YouTubeチャンネル
人気記事のご紹介