塗料の種類・選び方 paint-type and choosing
塗料の種類と塗料選びのポイント
塗料には多くの種類があり、それぞれに特徴があります。
アステックペイントでは住宅の状況や現状の悩み、今後の計画にあわせて最適な塗料を選べるよう、様々な性能を持った塗料をご用意しております。
ここでは塗料選びのポイントをまとめました。
POINT1
水性塗料と溶剤塗料の違い
塗料には、水を溶媒とする水性塗料と、揮発性の有機溶剤を溶媒とする溶剤塗料があります。
一般的に溶剤塗料は耐候性に優れているというイメージが定着していますが、
現在は、技術革新により、水性塗料も耐候性などの性能に大きな差はありません。
「水性塗料」と「溶剤塗料」の比較
水性塗料 | 溶剤塗料 | |
主成分 | 水 | 溶剤 |
---|---|---|
危険性 | 低い | 高い |
耐候性 | 塗料ごとに異なる | 塗料ごとに異なる |
におい | 少ない | 強い |
VOC排出量 | 少ない | 多い |
*VOC(揮発性有機化合物)とは、Volatile Organic Compoundsの略称。シックハウス症候群などの健康被害や、大気汚染などの環境被害を引き起こす原因物質の一つとされている。
POINT2
樹脂ごとの特徴の違い
樹脂は塗料の原料として重要な成分で、含まれる樹脂によって塗料の特徴は異なります。
樹脂の特徴、メリット・デメリットを理解することで、ご自宅の屋根・外壁にはどのような特徴を持った塗料が
必要か判断することができます。
樹脂別 特徴比較
塗料の種類 | メリット | デメリット | 耐用年数の目安 |
無機ハイブリッド (無機と有機のハイブリッド型) |
|
|
約18年 |
---|---|---|---|
無機配合型フッ素 (フッ素塗料に無機成分を配合) |
|
|
約16年 |
ピュアアクリル |
|
|
約15年 |
フッ素 |
|
|
約12年 |
光触媒 |
|
|
約12年 |
シリコン |
|
|
約8年 |
ウレタン |
|
|
約6年 |
アクリル |
|
|
約4年 |
補足情報:耐候性の高い塗料は長期的に見るとコストが安くなる!
POINT3
機能性の違い
アステックペイントでは、建物に施工するだけで様々な効果を発揮する機能性塗料も
多く取扱いしています。ご自宅の悩み・要望に合わせて塗料の機能を選びましょう。

親水性を有した塗膜で、汚れが付きづらく、また汚れが付着しても
雨水が洗い流し、美観を長期間保持します。
幹線道路沿いなど汚れやすい環境にお住まいの方、または白などの
明るい色で塗り替えを考えている方にオススメです。

夏場は、屋根や外壁が太陽光に熱せられることにより、その表面温度は高温になります。
遮熱塗料は、太陽光の反射率が高い顔料などを配合することで、温度上昇の原因となる近赤外線を効果的に反射します。
黒などの熱を吸収しやすい濃い色で塗り替えを考えている方にもオススメです。

建物の劣化要因の多くを占めるのが外壁・屋根からの雨漏り(下記データ参照)。
防水性が高い塗料なら、伸びる塗膜で外壁のひび割れから水が浸入するのを防ぎます。

主な不具合事象 | 割合 | 多くみられる部位 |
---|---|---|
雨漏り | 15.1% | 外壁、屋根 |
はがれ | 14.7% | 外壁、屋根 |
性能不足 | 11.4% | 外壁、屋根、設備機器 |
ひび割れ | 10.7% | 外壁、屋根 |
その他 | 33.5% | 外壁、屋根、床、給水・給湯配管 開口部・建具、設備機器、排水配管 など |
*リフォーム相談のうち戸建住宅において不具合が生じている相談3,552件に対する割合
データ出展:住宅相談統計年報2016(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター)

沿岸部などの湿気の多い地域では、カビ・藻の発生が建物の劣化、美観低下の原因となることがあります。防カビ塗料は、カビの繁殖を抑え、住宅の外観を美しく保つことが可能です。

意匠性の高いサイディング外壁にお住まいの方、塗替え時はできれば一色で塗り潰したくない…そんな方におすすめ、多彩模様塗料と呼ばれるデザイン性の高い塗料もあります。多彩な塗膜のチップを配合することで、天然石を思わせる美しい風合いを与えることができます。
POINT4
塗料の機能を発揮させるための注意事項
塗料の機能を十分に発揮させる為に絶対に外せないポイント、それは、施工要領を守る事です。
施工要領とは、各塗料メーカーが「このように塗ってください」と定めた塗り方の基準です。
この基準が守られていないと、たとえ1缶10万円以上する塗料でもその機能を
十分発揮する事ができず数年で劣化に繋がってしまうこともあります。
施工会社には下記2点が守られているか確認しましょう。
1基準塗布量を守っているか?

各塗料メーカーは1㎡あたりどのくらいの量の塗料を塗るのか基準を定めています。その基準が満たされていないと、表面上は綺麗に仕上がっているように見えても塗膜の厚みが薄いので塗膜の耐候性、隠蔽性が十分に発揮できないのです。上記のような施工不良を防ぐ為には見積りの段階でチェックをする事が有効です。
見積書に外壁塗装工事に何缶の塗料缶を使うのかが明記されていれば、いざ工事が始まった際、納品された缶数と使い切った缶数をチェックすれば良いだけだからです。
2乾燥時間を守っているか?

塗料は空気中に水分や溶剤成分が揮発して塗膜になります。
十分な乾燥時間を取らないまま塗り重ねてしまうと、塗膜の付着強度が得られず数年で剥がれたり、膨れたりする原因となります。
左図が塗料ごとに出されるカタログの施工要領が記載されている部分です。
赤枠部分に外気温25℃の際の乾燥時間が記載されています。
工程内:同じ塗料を2回塗り重ねる場合、置くべき間のこと
工程間:異なる塗料を塗り重ねる場合、置くべき間のこと
最終養生:粘着テープによるマスキングを行なっても問題ない程度に塗料の乾燥が進むまでの時間を指す
この乾燥時間を遵守して工事をする為には、施工会社がどのような工程表を出すかで確認できます。
工程表とは工事のおおまかなスケジュールを記載したものです。工程間の乾燥時間があまりに短いようであれば施工会社に直接確認しましょう。
─ 最後に ─
住宅建材の材質に適した塗料を選ぶのはもちろんですが、
ご自宅の抱えている「悩み」を解決してくれる塗料かという点も大切なポイントです。
塗料選びのポイントを以下にまとめました。
- 1回分の塗装価格だけでなく、長期で見てコスト削減できる塗料をオススメします。
- 塗り替えを行う業者が自信を持って推奨している塗料を選びましょう。
- ご自宅の悩みを解決してくれる性能が付いている塗料を選びましょう。
- 人と環境に優しい塗料を選びましょう。
様々な機能を持つ塗料がございますので、各種製品情報を確認されるほか、
施工会社と相談され、最適な塗料を選択してください。