塗装工事において最も重要な「塗り作業」の工程を解説!
お住まいの壁の塗り替え「塗装」にポイントを置いて様々な情報をお伝えする「公式みんなの塗装講座」。第6回のテーマは「塗装工事において最も重要な塗り作業」の工程について。
一言で塗り作業と言っても複数工程があり、それぞれ役割があるんです。そこで今回は、塗り作業の工程内容とその役割についてご紹介します。
塗り作業の工程内容
塗装職人さんが ひと塗りひと塗り丁寧に塗り上げ、住まいをキレイに仕上げる「塗装工事」。「約2週間」の日数をかけて、お住まいを美しく塗り替えます。 塗装工事は、次のような流れで進んでいきます。今回は塗装工事のなかでも、最も重要な工程、実際に塗料を塗り、最後の仕上げまでを見ていきましょう。 |
下塗り・上塗りの違いとは?
塗装作業は、下塗り・上塗りの2つの工程で工事を行っていくのですが、この下塗りと上塗り、それぞれどんな役割があるかわかりますか? ずばり!下塗りとは、「塗る面」と上塗り塗料の接着剤のような役割上塗りとは、仕上がりの色となる役割をそれぞれ果たしています。つまり、上塗り塗料は仕上材みたいなものです。 |
ナビゲーター 中上真亜子(以下:中上):ちょっといいですか!そもそも塗装作業の中にも、下塗り、上塗りと塗りの作業が2つあるって知りませんでした。
とにかく丁寧に作業するんですね?
アステックペイント 技術開発本部 部長 谷口智弘(以下:谷口):下塗りと上塗りをなぜ2つに分けて行うのか、ちゃんと意味があるんです。詳しく見ていきましょう。
下塗り作業の役割
詳しく見ていきましょう。実は仕上がりの色となる上塗り用塗料は、接着力が弱く、外壁や屋根に直接塗料を塗っても、塗料が剥がれやすい状態になってしまいます。 そこで重要な役割を果たすのが、下塗り用塗料です! 下塗り用塗料は「外壁や屋根のような塗る面」と上塗り用塗料の間に入って、接着剤のような役割を果たします。こうすることで、上塗り用塗料がしっかりと密着!塗料が壁から剥がれる、といった事態を防ぎます。 下塗り作業が終わったらしっかり乾燥させていきます。 |
谷口:お化粧を思い返してみると理解しやすいと思います。
洗顔したあと、化粧水や保湿クリーム・下地クリームなどで肌の状態を整えますよね?そうするとファンデーションがのりやすい状態になります。
下塗り材はそれに似ていて、上塗材をしっかり密着させ、また均一な仕上がりにするために、重要な役割を担っています。
中上:ムラなくする、よれない、持ちがよくなる。ということなんですね!でもこれだけの作業を家の大きさでやるって大変ですね。この手間が必要なんですね。
上塗り作業の役割
下塗りの塗料が乾燥したら、上塗り用塗料を塗っていきます。この上塗り用塗料が最後の仕上げの色となります。だから、丁寧にムラの無いように塗っていきます! 細かい部分は、ローラーから刷毛(ハケ)に切り替え、繊細に塗り替えていきます。この下塗り作業と上塗り作業を外壁と屋根でそれぞれ行います。 すべての工程が完了したら、綺麗に仕上がっているか、施主様と一緒に確認します。その後、最終チェックと手直しを行い、最後に、足場を解体して、塗装工事の全行程は完了です! |
中上:下塗りがしっかり乾いてから、上塗り作業なんですね。細かいところ隅々まで塗るところがありそうですね。
谷口:しっかり乾燥させないと不具合が生じてしまうんですね。だから、しっかり乾燥させてから塗装する必要があるんです。
まとめ
一言で塗装工事といっても、たくさんの工程があり、一つ一つの作業を丁寧に行うことでお住まいがキレイに仕上がり、長持ちさせることができます。 塗装工事を塗装会社の方に依頼する前の基礎知識として覚えておくと良いでしょう! |
中上:これだけの作業を丁寧に行うから2週間かかる、ということを実感できました。むしろ丁寧すぎて2週間以上かかりそうですね。
谷口:施主様からは「どうしてそんなに時間かかるの?」という言葉をいただくこともあります。大切なお住まいなので、細かいところも含めて2週間はかかるんです。
ただ、ここで忘れてはいけないのが「塗装工事は天候に左右される」ということです。雨降ってきてもできる仕事はありますが、できない仕事がほとんどなんです。
中上:そうなんですね!確かに雨が降ったり台風が来たら工事できないですもんね。
谷口:そうですね。塗装には塗り時の塗装シーズンというものがあります。春(3月・4月・5月)と秋(9月・10月・11月)がシーズンと言われています。
中上:そうなんですね。これだけ丁寧に塗り替えるというのは、これから塗装される方の参考になりそうですね。今日も、勉強になるお話をありがとうございました。