現場を見てみよう!お住まい徹底チェック!【外壁編】
お住まいの壁の塗り替え「塗装」にポイントを置いて様々な情報をお伝えする「公式みんなの塗装講座」。
第7回のテーマは「お住まい徹底チェック【外壁】」。今回は新築から年数が経過したお住まいを訪問して、じっくり観察していきます。外壁がどんな状態だと塗り替えたほうが良いのか、学んでいきましょう。
開口部のひび割れ
アステックペイント 技術開発本部 部長 谷口智弘(以下:谷口):まずは西側の面を見てみましょう。パッとみて気になるところありますか?
ナビゲーター 中上真亜子(以下:中上):このひび割れが気になります。窓の隅っこからひび割れが入りやすいんですね。
谷口:そうなんです。ひび割れが起こりやすい場所というのがありまして、こういう窓などの開口部の隅はひび割れしやすいんです。
チョーキング
谷口:指で触ると、白いものが付きますよね。チョーキングは劣化が始まっているというサインですね。一見きれいですが、塗り替えのサインです。
中上:実際に触ってみるとすごくつきますね。真っ白です。
谷口:塗膜が劣化して塗料の中の白い成分が出てきているという状態なんです。
中上:壁によりかかると洋服が真っ白になることがありますが、あれもチョーキングなんですね。ここの(家が立地している)環境も劣化に影響するんですか?
谷口:10年・15年・20年経過すると、どんな家でもどうしても劣化してしまいます。特に南面・西面は太陽光が長く当たるので、劣化も早くなるんです。
藻・コケ
中上:北面に来ましたが、なんか色が違いますね。ストライプみたいになってます。
谷口:北面というのは太陽が差し込まないので湿っていますね。なので、藻やコケが発生しやすいんです。少しグリーンな感じの色になっていますね。
中上:色が違うのは、藻やコケが生えてしまっているからなんですね。紫外線が当たらないのはそれはそれで問題なんですね。
谷口:さらに庭に池があると、常に水気がある状態で湿度が高くなるので、藻やコケが生えやすいんです。
外壁材のひび割れ
谷口:さきほどのひび割れよりもさらに大きいひび割れで、欠けていますね。今回、打診棒という外壁の調査で使用する道具を持ってきました。この打診棒で外壁をさすると音が違うので聞いてみましょう。
—ひび割れしていない部分:ゴロゴロと低い音
—ひび割れしている部分:カラカラと高い音
中上:本当ですね!ひび割れしているところと、通常のところでまったく違います。なんででしょうか?
谷口:ひび割れしているところは浮いているという状態なんです。
中上:なるほど、それで全く音の高さが違うんですね。
谷口:ここにひび割れが入っているだけではなくて、躯体から浮いている・離れているということなんです。そうなると、いつか剥がれ落ちてしまうので危険です。
シーリングのひび割れ
谷口:最後にシーリングを見ていきましょう。シーリングもひび割れが発生してしまうんです。
中上:ということはそろそろ、塗り替え時ということなんですね。ずーっと一本ひびが入っていますもんね。
谷口:もう1本シーリングを見てみましょう。こういうふうに割れてしまうと、ひび割れというより「断裂」という状態です。雨が降ったときに、この隙間から水が入っていくんです。
中上:3mmくらいのひび割れがずーっと下まで続いていますね。これはシーリングを打ち替えたほうがよさそうです。
まとめ
谷口:1周してきましたがスタジオで学ぶのと、目でみるのとではどうでしたか?
中上:今まで学んだ劣化症状がこんなにも一つのお家でたくさん起きているんだ!ということを実感できました。「もう塗り替え時だよ」というサインをお家は出してくれているんですね。
大切なお住まいだからこそ、サインを出していることに気付いてほしいですね。谷口さん、今日もありがとうございました。